皆様からのご意見お待ちしております
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讃岐うどん起源考 大宰府の空海【草案】第6項「善通寺」
(六)善通寺
真魚に持たせる経典・仏画・法具が写されていった。多度に帰る日も近い。
ある日空海は長安の僧房生活を語った。作務の合間の点心に「剪刀麪」というものを食べていたというのである。
「讃岐では今も大麦をそのまま煮て食しておるのであろう。彼の地は小麦が主で、石臼で粉にして水で練り棒で延ばし、細く切って椹(椎茸)や貝などと醤で煮て食しておった」
そう言いながら空海は2尺あまりの丸い棒を置いた。
真魚はこの寺で食べた不思議な食べ物を思い出した。話に聞いたことのある餛飩(こんとん)ともちがう。
「これを持って行け。大唐国でさようなものを食していると伝えよ。食物に美味を感ずるのも妙適清浄に等しく、菩薩の位なることを知らしめよ」
8月になると真魚は多度に帰っていった。わずか5ヶ月で容貌・挙措とも見違えるような僧形になっていた。もはや「空海」を名乗っても誰も疑わないであろう。讃岐の地に大寺を開き、密教を盛んにして衆生を益することを思うと足取りも軽い。そのあとを、くだんの犬が嬉々として追っていった。
この年の12月朔日、「空海」によって善通寺の斧始(起工式)が執り行われた。空海は移ったばかりの和泉国・槙尾山寺でこの知らせを聞いたにちがいない。6年後の弘仁4年(813)6月15日に落慶する。
落慶法要で饂飩が振舞われたのはいうまでもない。
完
上記は草案となります。
この草案に対する皆様のご意見・ご感想を参考に
物語を膨らませて参りますので
よろしくお願い申し上げます。
真魚に持たせる経典・仏画・法具が写されていった。多度に帰る日も近い。
ある日空海は長安の僧房生活を語った。作務の合間の点心に「剪刀麪」というものを食べていたというのである。
「讃岐では今も大麦をそのまま煮て食しておるのであろう。彼の地は小麦が主で、石臼で粉にして水で練り棒で延ばし、細く切って椹(椎茸)や貝などと醤で煮て食しておった」
そう言いながら空海は2尺あまりの丸い棒を置いた。
真魚はこの寺で食べた不思議な食べ物を思い出した。話に聞いたことのある餛飩(こんとん)ともちがう。
「これを持って行け。大唐国でさようなものを食していると伝えよ。食物に美味を感ずるのも妙適清浄に等しく、菩薩の位なることを知らしめよ」
8月になると真魚は多度に帰っていった。わずか5ヶ月で容貌・挙措とも見違えるような僧形になっていた。もはや「空海」を名乗っても誰も疑わないであろう。讃岐の地に大寺を開き、密教を盛んにして衆生を益することを思うと足取りも軽い。そのあとを、くだんの犬が嬉々として追っていった。
この年の12月朔日、「空海」によって善通寺の斧始(起工式)が執り行われた。空海は移ったばかりの和泉国・槙尾山寺でこの知らせを聞いたにちがいない。6年後の弘仁4年(813)6月15日に落慶する。
落慶法要で饂飩が振舞われたのはいうまでもない。
完
上記は草案となります。
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讃岐うどん起源考 大宰府の空海【草案】 第5項「分身」
(五)分身
空海は真魚を分身に仕立てることにした。自身は当分故郷に帰れないであろう。もしかすると今生でかなわぬかもしれぬ。ならば真魚を代わりに遣わし、母上への孝養に勤めさせ、報恩事業にかかわらせよう。思えば、多度の地に恵果の青龍寺を摸した伽藍を建立し、亡き父上を供養しようと夢見ていたではなかったか。分身でも立てなければ実現できるものではない。
真魚の聡明さは一見してわかった。素直さも意志の強さも直感した。この者に、記憶力を飛躍的に高め、知恵泉の如く湧き出る秘法を授けた上、空海が乗り移ったと暗示をかければ、当人も左様に振舞い、周囲の者も「空海」と認識するであろう。ことは急ぐ。
秘法は虚空蔵求聞持法である。
真魚はまず虚空蔵菩薩の画像を描いてかかげた。
本番は陀羅尼を100万遍唱え続けることである。「ナウボ アキャシャ キャラバヤ オン アリ キャマリ ボリ ソワカ」。これを3秒で唱えるとして、1分間で20遍、1時間で1200遍、20時間で24000遍である。この調子で100万遍となると、単純計算で42日かかることになる。
100万遍の陀羅尼読誦が満ちれば、最後に牛蘇加持法が行われ、神薬の牛蘇(牛乳を煮詰めてつくる一種のヨーグルト)を食べて完了する。
真魚は耐えた。耐えて成就した。
虚空蔵求聞持法を修しただけでは、コンピューターが初期設定されたようなものにすぎない。空海は、思いつくかぎりの知識を真魚に注入しようとした。これも、秘法を用いてファイルごと入力した。
ただし保存データは潜在化しているため、一度デイスプレー上で目視する必要があった。大日経、金剛頂経、理趣経を初め膨大な密教経典は、空海がひとたび梵音で読誦すると真魚は即座に記憶し、秘儀の作法も、印の結び方も、梵字の読み方も一通り示せばそれだけでわがものにした。
講話もあった。「仏法は身の外にあるのではない」と空海は説いたにちがいない。読経や筆授によるのではなく、自ら三密を行じる以外に成仏の道はないというのである。
上記は草案となります。
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物語を膨らませて参りますので
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空海は真魚を分身に仕立てることにした。自身は当分故郷に帰れないであろう。もしかすると今生でかなわぬかもしれぬ。ならば真魚を代わりに遣わし、母上への孝養に勤めさせ、報恩事業にかかわらせよう。思えば、多度の地に恵果の青龍寺を摸した伽藍を建立し、亡き父上を供養しようと夢見ていたではなかったか。分身でも立てなければ実現できるものではない。
真魚の聡明さは一見してわかった。素直さも意志の強さも直感した。この者に、記憶力を飛躍的に高め、知恵泉の如く湧き出る秘法を授けた上、空海が乗り移ったと暗示をかければ、当人も左様に振舞い、周囲の者も「空海」と認識するであろう。ことは急ぐ。
秘法は虚空蔵求聞持法である。
真魚はまず虚空蔵菩薩の画像を描いてかかげた。
本番は陀羅尼を100万遍唱え続けることである。「ナウボ アキャシャ キャラバヤ オン アリ キャマリ ボリ ソワカ」。これを3秒で唱えるとして、1分間で20遍、1時間で1200遍、20時間で24000遍である。この調子で100万遍となると、単純計算で42日かかることになる。
100万遍の陀羅尼読誦が満ちれば、最後に牛蘇加持法が行われ、神薬の牛蘇(牛乳を煮詰めてつくる一種のヨーグルト)を食べて完了する。
真魚は耐えた。耐えて成就した。
虚空蔵求聞持法を修しただけでは、コンピューターが初期設定されたようなものにすぎない。空海は、思いつくかぎりの知識を真魚に注入しようとした。これも、秘法を用いてファイルごと入力した。
ただし保存データは潜在化しているため、一度デイスプレー上で目視する必要があった。大日経、金剛頂経、理趣経を初め膨大な密教経典は、空海がひとたび梵音で読誦すると真魚は即座に記憶し、秘儀の作法も、印の結び方も、梵字の読み方も一通り示せばそれだけでわがものにした。
講話もあった。「仏法は身の外にあるのではない」と空海は説いたにちがいない。読経や筆授によるのではなく、自ら三密を行じる以外に成仏の道はないというのである。
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